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2011/09/03
8月定例会報告書

平成23年8月25日(木)、三重県地域密着型サービス協議会の8月定例会を開催致しました。

 今回の定例会は、「終末期の介護〜利用者と家族を支える介護の役割〜」をテーマに、在宅医療クリニックゆめ看護師長の木田真帆子様を講師に迎えて、実体験を混じえた素晴らしいお話を聞かせていただきました。その後のグループワークでは、ターミナルケアについての問題点、疑問点、その対処方法などを話し合いました。

 木田様は、訪問看護、在宅医療の最前線で、これまでに300人余の患者様を看取られた経験や対応を中心に、患者様やそのご家族との信頼関係の重要性、残されるご家族への精神的ケア(※グリーフケア)の必要性を訴えられました。
 その中で、利用者様の「心」の声を聞き逃してはいけない、常に支えて下さる方への感謝を忘れてはいけない、医療機関との関わりを密に取り、心の不安・痛みをチームで支え緩和していかなければいけない、と訴えられていた点が強く印象に残り、木田様のような献身的行動と深い思い、そして考え得る全てをやり尽くせて初めて信頼関係が生まれ、ご家族にもご理解していただける看取りになっていくのだと痛感致しました。

 その後のグループワークでは、利用者様、ご家族との綿密な連絡など、やるべきことさえしっかり行っていれば安心であり、望まれている形を汲み取って、施設として実現できる体制をどう整えていくかが重要であるなど、ターミナルケアを前向きに捉える意見が多く聞かれました。
 その一方、ターミナルケアに不安を感じている職員、精神的に滅入ってしまう職員を作らせないためには、管理者を中心にミーティングを重ね、個人ではなくチームで支援させていただいているんだという統一した見解を精神的な支えとして持つことも重要であるといった意見も聞かれました。

 今回の定例会は、最前線でご活躍されている方の生の声を聞けたことにより、参加者のターミナルケアへの理解がより深まったと感じました。

 今後も講師の方をお呼びするなど、工夫を凝らした定例会を開催していきたいと思いますので、ぜひ次回の参加もよろしくお願い致します。

※グリーフケア
 子どもだけでなく、配偶者、親、友人など大切な人を亡くし、大きな悲嘆(グリーフ)に襲われている人に対するサポートのこと。
 死別で起きる悲嘆の反応には怒り、事実の否認、後悔や自責の念などがあり、時には不眠や食欲不振といった体の不調に出ることもある。
 グリーフケアでは、対象者が事実を受け入れ、環境の変化に適応するプロセスを支援する。医療従事者や心理士などの専門家のほか、自助グループも担い手になる。

三重県地域密着型サービス協議会の9月度定例会はありません。
10月度の多数のご参加をお待ちしております!


記:広報委員会 谷口・家城